学生から「TOEICはどうやって勉強すればいいですか?」という質問を多く受けるので、今回は私の考える「効果的なTOEICの勉強方法」をお伝えします。
まず前提として、TOEICはテクニックを身につければ上がる、というものではなく、あくまで英語力が身につけば自然とスコアも上がるということは忘れないでください。
もちろん土台をしっかり身につけた上でさらに高得点を目指すとなった場合、テクニック的な部分もある程度は必要になってきますが、まずは土台です。
今回の内容はその土台をしっかり積み上げていく方法です。
教材について
一番の教材は、やはり問題集です。
中でも公式問題集が一番オススメです。
なぜなら当然、相手(TOEIC)を知れるからです。
彼を知り己を知れば百戦殆からず
孫子
みなさんも受験の時は過去問を解いたはずです。
それと一緒です。
何はともあれ、まず問題集。
公式じゃなくても持っているのがあればそれで大丈夫です。
ちなみに「単語帳はどれがいいですか」という質問も受けますが、まだTOEIC関連の書籍を持っていない人は、まず問題集だけでもいいです。
単語は大事ですが、単語帳単体で学習するより問題集を解いていって、その中で出てきた知らない単語を覚えていく方がおすすめです。
詳細は後述します。
まずは解く
進め方としては、まず時間が取れる人は、公式の時間で解いてみましょう。
まとまった時間が取れない人は、PARTごとに分けながら解いてもいいと思います。
実際に解くと予想スコアみたいなものが正答率から割り出せますが、大事なのはそのあとです。
解いた後の学習が何よりも大事。
その方法は以下の通りです。
リスニング(PART 1〜4)
解いた後の復習手順
問題を解き終わったら、以下のステップで復習しましょう。
ステップ1:もう一度音声を聴く
まず、スクリプトを見ずにもう一度音声を聴きます。
このとき正誤を確認するのではなく、全体の「意味」を追うことに集中してください。
問題を解いているときは答えを選ぶことに気をとられがちで、内容をちゃんと理解できていないことが多いので、ここで一度じっくり聴き直します。

ステップ2:ディクテーション〜精読
次に、音声を聴きながら全文を書き起こします。
「全文!?」とびっくりするかもしれませんが、はい、全文です。
特にリスニングが苦手だと思う人はしっかりディクテーションをしましょう。
PART 1 や PART 2 は比較的すぐできます。
PART 3 と PART 4 はなかなかハードですが、それでも力になると思って根気よく取り組んでみてください。

具体的な方法は以下の通りです。
1センテンス、あるいは長ければ区切りのいいところを再生し、一時停止をします。
聞き取れた部分をどんどん書いていきます。
もちろん置いていかれると思うので、適宜音声を止めたり再生したりを繰り返してください。
納得いくまで同じ部分を繰り返し聞いてください。
1センテンスが書き終わったら、あるいは「これ以上聴いても書き取れない」と感じた時点で答え合わせをします。
間違えた箇所はしっかり赤ペンで直しましょう。
間違えた箇所はスクリプト(台本)を目で確認しながら繰り返し聴いて、納得できたら次の文に進みます。
聴き取れない原因は、だいたい次の3つのどれかです。
まず、①そもそもその単語を知らないケース。この場合は単語の意味と発音を確認します。
次に、②単語の意味は知っているが発音を知らなかったケース。
読んでわかる単語でも音として聴いたときに全然わからない、ということはよくあります。
電子辞書やオンライン辞書などで正しい発音を確認してください。
そして3つ目が、③音声変化によるもの。
英語ではリンキング(単語と単語がつながって発音される)やリダクション(音が弱まったり消えたりする)といった現象が頻繁に起きます。
「本来の音がどう変化しているのか」に注意を向けながら、繰り返し元の音声を聴くようにしてください。

このステップの目的は、自分が聞き取れない音の「見える化」と知らない単語のピックアップです。
時間がない人はディクテーションだけでもかなり効果はありますが、できたら以降のステップも取り組んでみてください。
ステップ3:リピーティング(スクリプトあり)
ディクテーションが終わった音声をリピーティングしていきます。
リピーティングは音声を再生、一時停止、止めている間に真似をしてスクリプトを読み上げる、次のセンテンスへ、というステップです。
目安としては3回は繰り返すといいです。
ステップ4:音読
リピーティングが補助輪付きだとしたら、音読は補助輪なしで自分で漕いでみるイメージです。
最初に自己流で音読してしまうと正しくない発音で読んでしまい、それに慣れるとリスニングで聞き取れないということが起きる可能性があるため、リピーティングを優先して行うと良いです。
スクリプトを見ながら、意味を理解しながら読み上げます。
ただ声に出すだけでなく、内容を頭の中でイメージしながら読むことが大切です。
これも3周はできると良いと思います。
ステップ5:リピーティング(スクリプトなし)
今度はスクリプトを見ずに、センテンス単位で音声を再生・一時停止し、聴こえた内容を記憶をもとに復唱します。
うまくできない場合は同じ箇所を再生し、できるまで繰り返してください。できたら次の文に進みます。
これもできたら全体を3周行い、意味を理解しながらできているかどうか確認しながら進めることが大切です。

取り組む量の目安
もちろん理想は PART 1 から PART 4 の全問で以上のステップを行うことが理想ではありますが、ハードルが高すぎて全くやらないとなってしまっては本末転倒なので、自分の体力・時間と相談しながら、どの問題でどのステップまでやるか柔軟に決めると良いと思います。
例えば、PART 1 と PART 2 は頑張って全ステップ、PART 3 と PART 4 に関してはディクテーションだけでもやる、という感じです。
問題集以外の教材
問題集のほかに、リスニング教材として以下のサイトもおすすめです。
- BBC 6 Minute English
- VOA Learning English
- Speechling(ディクテーション練習に)
慣れてきたら、ディクテーションだけでなく「意味」に注意を向けて、全体を理解するように聴く練習も取り入れていきましょう。
スキマ時間の使い方
通学時間など、耳が空いている時間はイヤホンをして英語を聴くようにしてみましょう。
特に、一度上のステップで学習した音声を繰り返し聞くのはおすすめです。
聴いたことのない素材を流し聴きするのではなく、すでに向き合った素材を繰り返し聴くことで、音と意味のつながりが定着していきます。
リーディング(PART 5〜7)
では続いてリーディングセクションの復習方法です。
こちらはどちらかというと受験勉強にどうしても近くなってしまうかもしれませんが、ある程度は仕方のないことかもしれません。
近道はないので地道に取り組んでいきましょう。
PART 5
PART 5の間違いの原因は、ほぼ(1)単語か(2)文法のどちらかです。まず解説を読みながら、自分がなぜ間違えたのかを確認してください。
次に、間違えた問題とテキトーに選んで正解した問題(これも大事です)について、空欄に正解の選択肢を入れながら最低5回音読してください。
目的は英語の直感を養うことです。文法的に正しい形が「なんとなく自然にわかる」という感覚を育てるために、声に出して繰り返すことが有効です。
そして、1週間後くらいにもう一度PART 5の全問を解いてみてください。
解説を読んだ直後ではなく、少し時間をおいてから解き直すことで、本当に定着しているかどうかを確認できます。
解説を読んでもわからない文法項目については、高校などで使用した文法書で確認してみてください。

PART 6
PART 6は、(1)単語、(2)文法に加えて、(3)話全体の流れをつかめていないことが原因になりえます。
1文ずつではなく、文章全体を読んで判断しなければならない問題があるからです。
間違えた問題とテキトーに選んで正解した問題については、「なぜその選択肢が正解なのか」を人に説明するつもりで自分の言葉で書き出したり、声に出して説明したりしてみてください。説明できないということは、まだ理解が曖昧だということです。
その後、正解を入れたうえで全体を最低3回音読しましょう。
ただ読むのではなく、内容が理解できているかどうかを確認しながら読むことがとても大切です。

PART 7
PART 7の間違いの原因は、(1)単語の言い換えがわからない、あるいは(2)話の内容を理解できていない部分があること、のどちらかです。
PART 7では、正解の根拠が必ず本文の中にあります。
「なんとなくこれっぽい」だったり、自分の先入観で答えないようにしましょう。
本文のどこに根拠があるかを探す癖をつけてください。これは意識していないとなかなか身につかない習慣です。
間違えた問題とテキトーに選んで正解した問題については、PART 6と同様に「なぜその選択肢が正解なのか」を自分の言葉で書き出したり説明したりしてから、全体を最低3回音読しましょう。こちらも内容を理解しながら読むことが重要です。

さらに、日を空けてから「読みもの」として何度か黙読してみることもオススメします。
理解できない箇所が残っていないか、改めて確認してください。

単語
単語帳は基本的には自分で作ることをすすめています。
Quizletというアプリが使いやすいのでぜひ活用してください。
問題集を解いていて、100% 理解している単語以外はすべて単語帳に入れていく、という方針でやってみてください。
Quizletだと言語設定をすると自動で日本語の候補を出してくれるので便利です。
学習する際は、必ず発音も聴いてください。意味だけ覚えて発音を知らないままにすると、リスニングでその単語が出てきたときに聴き取れません。
スキマ時間を使って少しずつ繰り返すのが基本です。
なかなか覚えられないものも出てきますが、めげずに淡々とひたすら繰り返してください。
TOEICでよく使われる単語を集めたセットをQuizletで作ってあるので使ってみたい方は使ってください。
ただし、繰り返しになりますが本当に効果的なのは自分にとって必要な単語を集めたあなた専用の単語デッキを作ることです。
おすすめの問題集・参考書
- 公式TOEIC Listening & Reading 問題集
- TOEIC(R) L&R テスト 究極の模試 600問+
- マーフィーのケンブリッジ英文法(文法書。以下の日本語版)
- Basic Grammar in Use(文法書・英語で書かれているが使いやすい)
教育関係者の方へ
本記事で紹介した資料は、授業・講演・研修などの教育目的であれば、自由にご活用いただいて構いません。
スライド版資料も用意していますので、必要に応じてご利用ください。
ただし、スライドをそのまま使用・配布される場合は、出典が分かるように、以下のいずれかの形で明記をお願いします。
- 本記事『TOEIC対策の勉強法』」への言及
- 本記事のURL(https://kentosato.com/2026/06/11/how-to-study-for-toeic/)の記載
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